大成建設とアクティオは、山岳トンネル工事の発破掘削で、切羽の装薬作業が迅速化できる爆薬装てん装置を開発した。空気圧縮機や爆薬格納・供給ホッパーなどで構成。本体に搭載するホースに接続したパイプを装薬孔内に差し込んだ後、圧縮空気を送り孔内へ爆薬を圧送する。すべて手作業で行う従来手法に比べ装薬時間を約40%短縮。切羽から離れて作業が行えるため安全性も高まる。
爆薬装てん装置「T-クイックショット」は2トントラックに搭載可能。空気圧縮機や制御パソコン、爆薬格納・供給ホッパー、圧送システム、供給スライダーなどで構成する。装置1台で爆薬60キロ(200グラム×300本)を格納できる。
通常の装薬作業では切羽の直下で雷管を取り付けた爆薬(親ダイ)を装薬孔に詰め込んだ後、追加の爆薬(増しダイ)を装てん。最後に密度を高めるための込め物(砂、粘土)を挿入する必要がある。
爆薬装てん装置を使うと切羽から約1・5メートル離れた位置から作業が可能。まず先端に親ダイを装てんした長さ1・5~2メートルのパイプを装薬孔に差し込む。挿入後にリモコン操作で圧縮空気を発生させ、装置本体から増しダイを圧送し親ダイ後方に追加装てんすることで、安全に素早く装薬できる。
潤滑水を含んだ圧縮空気で指定数量の爆薬を一気に圧送するため空隙(くうげき)の少ない密な装てんが可能。最後に行う込め物が不要になる。制御パソコンで装置の稼働状況を監視でき、異常発生時は警報装置が作動し停止する。
今後は全国の山岳トンネル工事に展開しながら装置の機能拡張にも取り組む。将来的にはトンネル掘削サイクル全体の完全自動化を目指す。
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