今年は霞が関ビルが完成して50年、成田空港の開港から40年、瀬戸大橋も開通から30年という節目に当たる▼いずれも新たな時代を切り開き、経済成長や豊かな暮らしを支えたプロジェクト。今はあることが当たり前になっているが、実現に至る道のりは長く、計画立案や事業実施の過程ではさまざまな意見が渦巻いたであろう▼前回の東京五輪に向け突貫工事で整備された東海道新幹線。建設時には「鉄道の時代は終わった。これからは道路の時代だ」という論調が目立ったそう。今になってみると鉄道輸送の良さが見直され、多くの国々が高速鉄道整備に乗りだしている▼「次の世界を開くチャレンジを大事にしたい」。商業施設の企画や運営を手掛けるある企業の幹部から、そうした決意を聞いた。短期的な利益の追求はもちろん大事だが、前例踏襲の保守的な動きに陥ってはいけないと警鐘を鳴らす。変化の激しい時代の中で企業が生き残っていくには変化を自ら生み出す大胆さが重要とも▼インフラや都市基盤は計画から実現まで長い時間が掛かる。先の先を見通し大きな構想力を持ちながら、挑戦し続ける信念が必要だ。
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