2018年5月28日月曜日

【建設業の心温まる物語】沢木組(秋田県)・佐藤英樹さん

 ◇船の安心と安全に役立つ「やりがい」ある仕事◇

 私は、港湾土木工事を主に行っています。入社以来、数多くの漁港新設工事に携わってきました。

 ある漁港で、港を造り直す工事でのことです。そこでは、地元の漁師さんが古い港で漁船を係留していました。工事を始める前に漁師さんは「しけのたびロープを多くしないといけない」とか、「夜中の見回りなど漁船の管理が大変で心配だ」と言われていました。そして、工事を進めていると設計図をのぞき込みながら、「この箇所を変えてほしい」とか、「防船材を増やしてほしい」などとたくさんの要望がありました。私はあまりに多い要望に困ってしまいました。

 しかし、なんとかしてあげたいと思い、その都度発注者と打ち合わせをし、漁師さんの要望を伝えました。できるだけ漁師さんの意見が生かせるよう設計の工夫もしました。夜遅くまで打ち合わせがかかることもたびたびありました。

 徐々に漁師さんや発注者の方々とのコミュニケーションがうまくとれるようになり、順調に工事が進むようになりました。そして竣工の日を迎えることができました。漁師さんから「港が使いやすくなったなあ」とうれしい声を聞くことができました。

 この会社に入り30年あまりになります。自分で手掛けた構造物が残り、港で働く人々の安心と安全に役立っていると思うと本当にやりがいがある仕事だと思います。これからも今まで以上に習得した技術と知識を活用し、人々から喜ばれるものづくりに携わっていきます。

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