2018年5月17日木曜日

【洋上風力発電の設置工事に威力】戸田建設らの洋上風力専用作業台船が完成

 戸田建設と吉田組(兵庫県姫路市、壺阪博昭社長)は16日、両社が出資する合同会社「オフショアウィンドファームコンストラクション」が計画していた洋上風力発電施設建設用の台船が完成したと発表した。

 長崎県五島市崎山沖で計画している浮体式洋上風力発電事業に活用するととともに、発電事業者にも貸し出していく。=1面参照

 新造船の名称は「フロートレイザー(はたあげ)」。環境省の補助を受けて建造した。全長110メートル、幅43メートル、総トン数1万2300トン、デッキ面積約3890平方メートル。長さ40メートルのスパッド4本を備える。

 浮体式洋上風力発電施設のブレードを支える浮体構造物「ハイブリッドスパー型浮体」を陸上で建設し、台船上に積み込む。沖合までこの台船をえい航し、海水に甲板を沈めた状態で浮体構造物を進水・浮上させることができる。

 甲板上から7・4メートルまで潜水可能で、前後に傾斜を付けた状態で潜水できるという。国内に数隻しかない大型起重機船を使わずに施工できるため、浮体式洋上風力発電施設を効率的に施工できるようになる。

 12日に同市の福江港で完成披露式典が開かれ、関係者が参加して完成を祝った。同社は「ハイブリッドスパーのほか、スパー、ケーソン、ジャケットなどの浮上・進水にも広く活用できる。洋上風力発電の普及促進に大きく貢献できる」とコメントしている。

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