2018年5月14日月曜日

【安全対策に重点配分】首都圏民鉄8社、18年度設備投資計画出そろう

首都圏の民間鉄道各社の18年度設備投資計画(鉄道事業)が出そろった。8社の投資総額(見込み)は前年度比6・8%増の2340億円。8社中7社が昨年度を上回った。

 各社とも鉄道の安全対策に力を入れ、連続立体交差(連立)事業やホームドアの設置、大地震や豪雨に備えた構造物の補強などを重点実施する。サービス向上や魅力的な駅空間の創出に向け、駅改良工事を展開する企業も目立った。

 計画を公表したのは▽東京急行電鉄(東急電鉄)東武鉄道▽小田急電鉄▽西武鉄道▽京王電鉄▽京浜急行電鉄(京急電鉄)▽京成電鉄▽相鉄グループ-の8社。

 連立事業は6社が推進する。京急電鉄は昨年に引き続き大師線で東門前町~小島新田駅間の地下化に取り組む。京王電鉄は京王線笹塚~仙川駅間での事業着手に向け、工事ヤードの整備を始める。併せて用地取得も行う。

西武鉄道は既に着工済みの中井~野方駅間の地下化と東村山駅付近の高架化を着実に進展させるとともに、事業準備中の野方~井荻駅間と井荻~東伏見駅間では東京都や地元自治体との調整を行う。相鉄グループは星川~天王町駅間の高架化を推進中で、上り線を18年度に完成させる予定だ。
小田急下北沢駅の完成イメージ
転落や列車との接触事故を防ぐホームドアの整備では、19年度に全駅の整備完了を目指す東急電鉄が田園都市線を中心に12駅で設置工事を展開する。今年3月末時点で全64駅中33駅の整備が完了した。小田急電鉄は18年度に代々木八幡、下北沢の両駅に設置する予定。併せて、22年度までの設置予定駅を対象に設計作業も進める。

 このほか、大規模地震や豪雨などが発生した場合の被害を最小限に抑えるための安全対策として、東武鉄道は各地で高架橋・橋梁の耐震補強工事を展開。京急電鉄は高架橋と盛り土の耐震補強工事やトンネルと橋梁の補修などに取り組む。
京王よみうりランド駅の完成イメージ
駅の魅力を高め、利用客へのサービス向上を目指す駅改良工事では、京王電鉄が19年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会と2020年東京五輪という国際的なスポーツイベントに向け、競技会場に最寄りの飛田給駅で駅舎改修のほか、府中駅やよみうりランド駅のリニューアルなどに取り組む。相鉄グループも統一コンセプトに沿って駅舎や車両を一新する「デザインブランドアッププロジェクト」の一環で、西横浜、田園都市、弥生台の各駅で駅舎リニューアルを予定している。

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