2018年5月25日金曜日

【回転窓】100年企業の原点

直面する課題に対峙(たいじ)しながら会社を経営する時、創業時にどんな思いで会社を立ち上げたかを考えることも重要ではないか▼「ようやく100年企業の仲間入りを果たすことができました」。先日、ある専門工事会社の記念式典に出席した。顧客などの来賓を招くことなく、役職員とそこで働く職人だけのささやかではあるが、心温まる会だった▼100年前に1人の職人が立ち上げた会社が、いまでは日々数百人が働く規模にまで成長した。式典で会社の足跡をたどる記念誌が配布された。年表形式でこれまでに手掛けた物件がつづられたシンプルな仕立て。巻頭には創業者が立てた「社是」「社訓」「教訓」が示されていた▼「お客さまは技術・技能を買ってくださる」「お金を自分からもうけようとするな」「金もうけに走り技術を落とすな」「日頃より、研さん努力を怠るなかれ」。言葉の数々に、今も創業者のDNAが脈々と引き継がれていると感じた▼今年が創刊90周年の本紙も10年後、100年企業に仲間入りする。これからも時々刻々と変化する情勢に対応し正確な報道に努める原点を忘れずにいたい。

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