2018年5月21日月曜日

【回転窓】奮闘するシェルパ

ヒマラヤ登山の荷物運搬・案内役や、首脳会談の準備・調整を担う官僚の代名詞として用いられる「シェルパ」。建設業界でも企業の決算発表、受発注者の意見交換に伴う参考資料の作成などの担当者をシェルパと呼ぶようになったと聞いた▼日本建設業連合会(日建連)と発注機関との意見交換会が始まった。行政施策の動向や業界として主張するべき意見の背景について団体幹部を務める自社の経営トップに説明、飛行機や新幹線で本社にとんぼ返りする。この時期、団体と会員企業両方のシェルパとして活躍するゼネコン職員は多忙を極める▼日建連の意見交換会では、働き方改革や生産性向上を巡って活発な議論が進む。「言い過ぎた面がありましたらご容赦を」と宮本洋一土木本部長が発注機関側の出席者に理解を求めるほどに白熱する場面が少なくない▼日建連は、技術者評価や設計変更協議の現状などを参考資料にまとめた。是正や改善を求めるのではなく、「優れた取り組みを広げたい」(宮本本部長)からだ▼シェルパと事務局が丹精込めて作成した参考資料が呼び水となり、受発注者の議論が深まるよう願う。

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