2018年5月17日木曜日

【回転窓】インフラメンテ先進国

インフラ管理の最適化は、万国共通の課題だろう。高度成長期にインフラ整備が急速に進んだ日本では今、老朽施設の更新対応が本格化。増大する維持・修繕業務の効率化に知恵を絞る▼長年にわたってインフラを管理・運営してきた事業者側は技術・ノウハウを蓄積。点検情報など膨大な関連データを有効活用するため、人工知能(AI)などを導入しながら維持・修繕の高度化に取り組む▼「インフラメンテナンス先進国」として、最先端のメンテナンス技術や関連システムを海外に売り込む動きもここにきて目立ってきた。東日本高速道路会社はインドの有料道路でコンセッション(公共施設等運営権)事業を展開する現地企業への出資と技術支援に乗りだした▼高速道路事業の歴史が浅い途上国や新興国は、日本の経験知と技術力に大きな期待を寄せる。一方で制度や慣習など日本と異なる事業環境下で見込んだ効果や収益が上げられるのか懸念もある▼政府系機関などが民間企業の海外展開を支援する「インフラ輸出促進法案」の国会審議が進む。官民連携の枠組み強化が海外での商機拡大につながることを期待したい。

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