2018年5月7日月曜日

【渋谷区、緑と水の空間軸形成めざす】玉川上水旧水路緑道再整備へ基本構想案

 ◇笹塚・幡ケ谷・初台地区街づくりの一環◇

 東京・渋谷区は笹塚・幡ケ谷・初台地区の街づくりの一環で検討している「玉川上水旧水路緑道」の再整備に向け、基本構想案をまとめた。案には「人・街・時をつなぐ緑道」をテーマに、地区の新たな価値の創出や地域活性化を先導する空間形成を目指すことを明記。実現に向け緑道としての機能向上、歴史や水の魅力が体感できる空間づくりなどに取り組むとした。

 7月に基本構想を固めた後、基本計画を18年度内に策定。19年度に基本設計をまとめる。実施設計と施工は工区を三つに分けて順次推進する。実施設計は20年度に第1工区、21年度が第2工区、22年度に第3工区を計画。21年度から第1工区の工事に着手する。第2工区は22年度、第3工区は23年度の着工を予定。24年度の全体完成を見込む。

 玉川上水旧水路緑道は、玉川上水を暗渠にした上部にある遊歩道状の都市公園で、1982~85年に整備された。▽笹塚緑道▽大山緑道▽幡ケ谷緑道▽西原緑道▽初台緑道▽代々木緑道-で構成する。

 案では▽緑と水の空間軸としての緑道機能を高める▽玉川上水の歴史や水の魅力が体感できる空間をつくる▽区民や来街者が地区に訪れたくなる空間をつくる▽地域と連携し人々の思いを実現する仕組みをつくる-の四つを再整備の柱に掲げた。

 取り組みの具体的例として、橋の欄干など歴史的資源の保全・活用や親水空間の整備などを挙げた。訪れたくなる空間づくりに向け、広場空間の確保やイベントの開催、利用ニーズにあった施設の設置などを想定。地域と連携した仕組みづくりでは、多様な主体が活躍する管理運営体制の構築などを目指す。

 区は笹塚・幡ケ谷・初台地区で街づくりの機運を醸成する「ササハタハツプロジェクト」を展開している。地域住民が参加するワークショップを開催し、住民主体の企画立案と実行を支援。基本構想案にも、ワークショップで吸い上げた区民の意見や要望を反映した。

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