2020年東京五輪のメイン会場となる新国立競技場の整備が順調に進んでいる。日本スポーツ振興センター(JSC)によると、5月時点で全体工期の約5割を終え、外装・内装など各種工事が最盛期を迎える。
今後の工事では木材と鉄骨のハイブリッド構造を採用する屋根の取り付けが「最も難しい工程」(JSCの望月禎理事・新国立競技場設置本部長)という。建設現場に隣接する敷地で木材と鉄骨の接合作業が進む。
新国立競技場の屋根部は108スパンの部材で構成。「根元鉄骨」と「ユニット鉄骨」で組成する。2月から根元鉄骨の取り付けに着手し、現在63スパンの取り付けが完了。近くユニット鉄骨の取り付けにも現場東側から着手し、19年5月ごろに完成する予定だ。
使用する木材(5・5メートル)は国産のカラマツとスギ。鉄骨(7・8メートル)の芯を組み合わせることで、地震時の鉄骨の変形を抑制する。表面には無数の小さな空洞があり、薬剤が浸透しやすい。
屋根部に使用する木材は、新国立競技場に使われる木材の総量約2000立方メートル(技術提案時)の約9割を占める。
11日に現地で開かれた定例ブリーフィングで、JSCの高橋武男新国立競技場設置本部総括役は「木材と鉄骨をトレーラーで現場に運び、クレーンでつり上げて屋根部に取り付ける。安全性が求められる作業だ」と話した。新国立競技場の建設地は東京都新宿区霞ケ丘町10の1ほか。19年11月末までの施設完成を目指している。
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