横浜市が20年の東京五輪・パラリンピック期間中の導入を目指すホテルシップについて、実現に向けた取り組みを加速している。厚生労働省は16日、無窓客室の営業を可能にする規制緩和の条件などを市に通知した。これを受け、市は客船運航会社や旅行代理店などに積極的に働き掛ける考えだ。
20年7月24日~8月9日に開催予定の五輪期間中、横浜港に停泊させたクルーズ船などを、インバウンド(訪日外国人旅行者)らの宿泊施設として活用する。旅館業法では窓のない客室はホテルとして認められない。市は1月、内閣府の国家戦略特区ワーキンググループに対し「ホテルシップの実施における旅館業法の適用除外」を提案していた。
通知によると、すべての条件を満たせばイベント期間中に限定して無窓の客室を含む施設に、各自治体の判断でホテル営業の許可を与えてもよいとしている。主な条件は▽通常貨客の運送に利用されている旅客室を有する船舶▽全客室のうち無窓の客室が占める割合がおおむね4割程度以下▽窓に代わる設備(照明、換気)が確保されている▽宿泊者に対し無窓の客室であることを知らせる-など。
船舶の受け入れ場所は横浜港内を想定。再開発を計画している山下ふ頭(中区)や大桟橋(中区)、新港地区(中区)、大黒ふ頭(鶴見区)などが候補に挙がっている。
市港湾局によると、これまでに複数の船会社や旅行会社からの問い合わせがあったという。規制緩和の通知を受けたことで、具体的な協議が進むことになる。市は主要な競技会場までの交通利便性が高く、近隣に商業・観光施設が多いなどをセールスポイントに、ホテルシップの誘致を目指す考えだ。
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