2018年5月14日月曜日

【凜】東京・世田谷区都市整備政策部・湊由美恵さん

 ◇当事者の立場で街づくり◇

 就職活動中に見た東京・世田谷区の街並みに、昔から好きだった「住宅が立ち並ぶ風景」を感じた。出身地の群馬県がある関東地方で仕事に就こうと考えていたが、ほれ込んだ街に関わる仕事がしたいと世田谷区役所を就職先に選んだ。

 入庁して最初に配属されたのが玉川総合支所の街づくり課。住民らで作る協議会の支援など地域の街づくりの促進に携わった。

 4年目に異動した本庁の防災街づくり担当部建築安全課では、狭い道路に面した建築物を建て替える際、建築基準法に従ってセットバックするための建築主との調整や道路拡幅工事を担当した。

 建て替える建物と隣接した敷地の権利者に、一体的な道路拡幅を提案したことがあった。権利者の自宅を訪ね、工事の概要を説明した。まさか自分がこうした仕事をするとは「想像していなかった」。提案への理解が得られ、広くなった道路を見て喜ばれた時、地道な取り組みが実を結んだとうれしく思った。

 8年目を迎えたこの春、今の部署で区内施設のユニバーサルデザインを推進することになった。経験のない分野に戸惑いもある。それでも必要な知識を身に付けようと、国が主催するセミナーに精力的に通う。

 異動のたびに仕事内容が変わっていくが、「当事者の立場で考え、誰もが安心して暮らせる街づくりを目指したい」との思いは貫き通す覚悟だ。

 (都市デザイン課主任、みなと・ゆみえ)

0 コメント :

コメントを投稿