2018年5月28日月曜日

【建設業の心温まる物語】正栄組(岡山県)・楢村伴睦さん

 ◇「もうダメだ」と思ったとき、助けてくれる人がいる◇

 私は、建物をお客さまが使いながら改修工事が行われる際の、解体工事やコンクリートのはつり工事を行っています。

 建物の中にお客さまが住んでいたり、仕事をしていたりするので、作業の条件、時間の制限、音やホコリの対策、夜間作業等、厳しい環境で仕事をすることがほとんどです。

 もしも病院で医療ガス管をミスで切断したら、患者さんの命にかかわってしまいます。もしも工場で活電線を切ってしまったらラインが止まり、数億円の損失が発生してしまいます。風で紙1枚でも線路に飛ばしてしまったら、列車がストップしてしまいます。もしもコンクリートのはつり殻を下に落としてしまったら、人の命を奪ってしまいます。

 常に緊張感の中で仕事をしているので、数えきれないほどの「もうやめてしまいたい」と思うことがありました。ミスしないよう、過去の案件を思い出しながらさまざまな対策を立てて仕事をしているのですが、それでも思いもよらないような失敗をしてしまうときがあるのです。

 「もうダメだ…」。天を仰いだとき、隣にいた他の職種の職人さん、元請さん、そしてお客さままでもが私を助けてくれました。手をさしのべてくれたのです。そんな皆さんの応援のおかげで、今でも私はこの仕事をやり続けることができています。建設業にはそんな感動体験がたくさんあるのです。

0 コメント :

コメントを投稿