東日本大震災の発生から11日で12年を迎えた。地震・津波被災地域では住まいの再建やインフラ整備などがだいぶ進んだ一方、福島県内の原発被災地域では避難を余儀なくされた住民が、帰りたくても帰れない地域が残されている。今後はそうした帰還困難区域内で先行的に街づくりを計画する「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)以外の地域でも、住民帰還への取り組みが本格的に始まる。復興庁は法整備や予算措置などで被災地の創造的復興を全面的に支援していく。=2面に関連記事
復興拠点外の地域では、政府が2020年代にかけて希望する住民全員の帰還実現を目指す。同庁は帰還促進へ、開会中の今国会に福島復興再生特別措置法の改正案を提出した。市町村長が指定する特定の区域で、国が国費負担での除染や道路などインフラ整備の代行といった特例措置を講じる。渡辺博道復興相は「最後の住民帰還スキームになる」と見て、環境整備への支援に全力を尽くす構えだ。さらに復興拠点外では本格的な除染が24年度に始まる予定。それに先駆けて、23年度に大熊、双葉両町の一部地域で除染に着手する。
4月1日には創造的復興の中核拠点となる「国際研究教育機関(F-REI)」の運営法人が発足し、仮事務所での業務を開始する。同庁は現在、F-REIのパンフレットを公表し、意義や取り組み目標をPRしている。浪江町の川添地区に建設する本施設を復興庁設置期間内(31年3月31日まで)に可能な限り前倒しで竣工させるため、施設計画も検討中だ。
東日本大震災は被災地に未曽有の被害をもたらしたが、だからこそそこから立ち上がるための復旧・復興の過程で多くの教訓を残した。同庁は復興政策を総括し、結果を23年度にもまとめる予定。発生が予測される南海トラフ巨大地震震など大規模災害への備えに生かしていく。
復旧・復興事業の財源フレームは「第2期復興・創生期間」(21~25年度)までしか示されていない。渡辺復興相は中長期的な対応が必要との判断から、26年度以降の財源確保の在り方も検討するという。
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