2023年3月14日火曜日

国交省/道路土工構造物点検要領の改定案、特定土工の対策強化4月1日適用

国土交通省は13日、道路土工構造物点検要領の改定案をまとめた。災害時の被害拡大が懸念される長大切り土や高盛り土といった特定道路土工構造物(特定土工)向けの対策を強化。道路管理者に5年ごとに義務付けている土工構造物の定期点検のうち、特定土工に限り初回点検を建設後2年以内に行うよう見直す。特定土工の対象も広げ、河川に隣接し水害リスクが高い擁壁や盛り土を追加する。
改定案は同日東京都内で開いた社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)道路分科会道路技術小委員会(委員長・二羽淳一郎東京工業大学名誉教授)の会合で示し、大筋で了承された。
国交省は4月1日に改定版を適用する。
現行要領は特定土工を▽高さ15メートル以上の長大切り土▽高さ10メートル以上の高盛り土-の二つと定義。改定案は水害による道路流失被害が増えている状況を踏まえ、一定の条件を満たす河川に隣接した盛り土や擁壁を特定土工に加える。
具体的には河川の湾曲半径が120メートル以下で湾曲角度が20度以上の箇所か、河床勾配が250分の1より急な箇所を抽出。こうした河川から水平距離で7メートル以内にある盛り土と擁壁を特定土工に追加する。
定期点検は4月1日以降に整備する原則全ての特定土工に対し、建設後2年以内の初回点検を求める。建設前の調査や設計、施工といった各工程で蓄積したデータを確実に保存・継承し、建設後の維持管理や被災予測に役立てる必要性も指摘している。
従来から特定土工と位置付ける長大切り土や高盛り土の点検に関しては、必要に応じてドローンなどで得た3D点群データの活用を認める。ICTでのり面全体を俯瞰(ふかん)的に見られる環境を整え、崩落の予兆となる変状の早期把握を後押しする。


source https://www.decn.co.jp/

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