2023年3月24日金曜日

西松建設、佐賀大学/水路調査ロボットを開発、自律走行し高精度画像取得

西松建設と佐賀大学理工学部の伊藤幸広研究室は、水路トンネルの調査点検を自動化するロボット「turtle」(タートル)を共同開発した。坑内を自律走行しながら高解像度の計測カメラで壁面を撮影。画像を解析して覆工のひび割れを自動検出できる。作業員が坑内に入る目視点検に比べ、維持管理業務を大幅に効率化する。従来型の調査ロボットよりも安定して運用できる点も特長だ。
ロボットは走行部と計測部で構成する。バッテリー式で直径6メートル程度、延長2キロ程度のトンネル内を調べられる。走行部にはSLAM(自己位置推定)技術を活用した制御システムを実装した。レーザーで形状を検知するLiDAR(ライダー)などで壁面との位置関係や障害物を把握しながら、トンネルの線形に沿って中央部を自律走行する。回避が難しい障害物などが見つかった場合は自動停止する。
計測部ではLED照明と計測カメラ5台により、周囲の壁面の高精細画像を取得する。画像を使って構築した3Dモデルを基に展開図を作成し、AIによって幅0・1ミリ以上のひび割れを自動で検出できる。点検者の作業負担を軽減するだけでなく、結果の客観性を保てるという。
計測部の前後には計測カメラとは別に広角レンズのカメラを設置。坑内の状況を映像で撮っておくことで、坑内の漏水や異常箇所を確かめた上で補修・改修計画を立案できる。
水力発電所などの水路トンネルは、3年に一度の調査点検が義務付けられている。目視点検は安全面のリスクだけでなく、スケッチなどで記録した情報の処理にも時間と手間を要していた。これまでもドローン型や飛行船型などの調査ロボットが開発されてきたが、バッテリー容量に制約があったり水流や風によって機体の方向制御が難しかったりなどの課題があった。

水路調査ロボット「turtle」(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/

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