2023年3月29日水曜日

回転窓/春の幸せをかみしめる

ある百貨店の食品売り場、いわゆるデパ地下に東京・巣鴨の老舗の塩大福が並んでいた。巣鴨とげぬき地蔵で親しまれる高岩寺の参拝土産として名高く、多くの人に好まれている▼北海道十勝産の小豆を使ったあんこを、絶妙な塩加減で調製した皮で包んだ“元祖”とされる逸品。昭和50年代に巣鴨の商店街で売られてから人気を博す。さっぱりとした甘さと独自の風味には、千葉・九十九里の製塩の経験が生かされていると聞いた▼この百貨店は土曜日限定で塩大福を仕入れ、特設コーナーに数を決めて陳列する。巣鴨の老舗と期間限定催事出品の契約をしており、評判の高さから全国に数カ所しかない常設販売を行うことにしたそう▼特設コーナーには各地の銘菓や人気の定番菓子が日替わりで用意される。京都府の名店の「生茶ゼリィ」や石川県で人気のあんころ餅など地域も種類もさまざま。「月に一度のお楽しみ」と銘打ち、1日限りの品が出たり緊急入荷があったりするので見逃せない▼近所の桜の名所が見頃を迎え、各地からも満開の便りが増えてきた。短いけれど、花も団子も楽しむ幸せな季節をかみしめて過ごしたい。

source https://www.decn.co.jp/

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