都道府県発注工事の2021年度完了案件のうち週休2日を実際に達成した割合が全国平均で約3割にとどまることが、国土交通省の調査で分かった。週休2日を前提とした工事発注の割合を示す「公告ベース」の数値とは大きな隔たりがあり、現場の実態として休暇取得のための現場閉所などができていない可能性がある。国交省は受注者と意思疎通を取りながら、発注者指定型モデル工事の拡大や工期設定の適正化などに取り組む必要性を訴える。
各都道府県に災害緊急復旧工事を除いて21年度に完了した工事件数と、そのうち4週8休以上を達成した工事件数を聞いた。未集計で回答がなかった東京都を除き、週休2日の達成率が「75%以上」は北海道と石川、福井両県の3団体。「30%以上75%未満」は15団体、「10%以上30%未満」は17団体、「10%未満」は11団体だった。
公告ベースの数値は各都道府県内の政令市の発注工事を足し合わせた県域単位で例年集計しており、21年度は全国平均で81%だった。週休2日対象工事の割合が100%に達している県域も19都県あった。
週休2日を実際に達成する現場を増やすには、地元業界内の意識浸透が欠かせない。国交省によると、達成率が高い団体からは「発注者指定型を増やすことで入札参加段階から企業の週休2日への意識が強まった」との指摘があった。
受注者希望型で多く発注する団体からは、天候などの不確定要素や工程計画上の理由、日給月給制の労働者の収入確保などを理由に希望しない企業が多いという声が聞かれた。「県の定める標準工期が短いとの理由から業界の理解が得られない」と明かす団体もおり、受注者の声を聞きながら現状の課題を分析し、週休2日を可能とする環境整備を進める必要がありそうだ。
source https://www.decn.co.jp/
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