清水建設は、人体への有害性が指摘されている有機フッ素化合物(PFAS)を含む汚染水を効率的に浄化する技術を開発した。気泡の気液界面に物質が吸着する性質を利用し、目的物を水中から除去する「泡沫(ほうまつ)分離処理装置」を製作。水中に含まれるPFASを微細気泡に付着させ、泡沫とともに回収する。
PFASは疎水基と親水基を併せ持つ界面活性剤としての特性を備える人工化合物。自然環境では分解されにくい。熱に強く、水と油をはじく性質があり、コーティング剤や泡消火剤など多様な製品に使われてきた。1990年代以降は環境や生体への残留性や蓄積性が問題視され、日本を含む世界各国で規制強化が進む。
同社はPFASの規制が土壌環境にも及ぶことを想定し浄化技術の開発を推進。界面活性剤を分離、回収できる「泡沫分離法」を使った浄化手法の確立を目指し、室内試験で技術検証を重ねパイロットスケールの泡沫分離処理装置を製作した。
沖縄県内でPFAS汚染水の浄化実証試験を実施した結果、1リットル当たりの濃度が634ナノグラム(国の暫定指針値の12倍超)の汚染水を40分間で1ナノグラム以下まで浄化処理できることを確認した。
国内では泡消火剤が使われてきた飛行場や基地周辺などで暫定指針値を上回るPFASが検出され、環境汚染問題が顕在化している。同社は土壌洗浄技術の新たなメニューに追加し、汚染土壌の洗浄時に溶出するPFAS汚染水の浄化処理に活用していく考えだ。
source https://www.decn.co.jp/
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