大林組は24日、バーチャル現場で工程をシミュレーションし、現実の現場作業を最適化する試みを実施したと発表した。トヨタ自動車未来創生センター(愛知県豊田市)が開発した作業シミュレーション技術「施工シミュレータ」を東名高速道路のリニューアル工事に初適用。当初の工程では待機している作業員が多く、時間の無駄が発生していると判明したため、これらを改善して最適化した。
施工シミュレータは床版設置後、主桁と固定するための無収縮モルタル打設や、隣り合う床版と接合する部材「スリムNEOプレート」の設置などの作業工程に適用した。高速道路や施工機械、新しい床版など、目に見える部分を3Dコンピューターグラフィックス(CG)で表示してバーチャル現場を構築。実際の作業員の動きをバーチャル現場内で再現し、施工機械や他の作業員との連携作業を見える化した。
バーチャル現場で作業をシミュレーションしたところ、当初計画の工程では待機している作業員が多数いて、作業員数に対し時間の無駄が多く発生していることが分かった。施工順や次工程へのタイミングを見直し、各作業を作業員に適切に割り当てることで時間の無駄をなくした。その結果、当初計画では60分かかった工程を10分短縮し、作業員数も12人から10人に2人削減できることを確認した。
バーチャル現場のシミュレーションはアニメーションで現場に展開し、作業開始前の作業員向け説明資料に使用した。現場環境と作業を見える化したことで、詳細な工程検討や作業員の配置が可能となった。
今回は部分的な工程最適化を実施したが、今後は昼間工事と夜間工事の最適な作業人員の配置や、能力を考慮した作業の振り分けによる平準化など、施工シミュレータの活用によるさらなる工程改善を目指す。
source https://www.decn.co.jp/
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