宮城県は県南部に位置する名取、岩沼両市を流れる1級河川名取川水系川内沢川に建設する「川内沢ダム」の本体着工式を19日に名取市愛島笹島で開いた。施工は西松建設・奥田建設・グリーン企画建設JV。洪水調節と流水の正常な機能維持、河川環境の保全を目的に1997年から調査を開始。26年を経て本体着工に至った。総事業費は135億円。2026年春の完成を目指す。
起工式には遠藤信哉宮城県副知事や山田司郎名取市長ら県市の関係者、西村明宏環境相、西松建設の一色眞人代表取締役執行役員副社長ら60人が出席。工事の無事故・無災害と早期完成、流域の治水向上を願い鍬を入れた。
式典で遠藤副知事は「川内沢川流域はたびたび洪水被害を受けてきた。94年9月の豪雨災害を契機にダムが計画され、これから本格的に本体工事に入る。県としても施工者と協力し、工事が安全で着実に進むよう取り組む」と述べた。
来賓の西村環境相は「ダムは流域の治水に大きな力を発揮してくれる。地域の安全・安心な暮らしを守るため一日も早い完成を願う」と事業に期待した。
施工者を代表して一色副社長は「当社の企業理念『培ってきた技術と経験を活かし、価値ある建造物とサービスを社会に提供することで、安心して暮らせる持続可能な社会・環境づくりに貢献する』に合致するプロジェクトだ。工事に携わったことが誇りになるよう立派に完成させる」と決意表明した。
川内沢ダムは洪水発生を防御するとともに、10年に一度発生すると考えられる渇水に対し安定的なかんがい用水も確保する。完成すると堤高39・7メートル、堤頂長145・0メートル、総貯水容量179万立方メートルの重力式コンクリートダムになる。本体基礎掘削4万9510立方メートル、堤体コンクリート5万4000立方メートルなどを計画。コンクリート製造設備や濁水処理設備を設け、環境に配慮しながら施工する。今後基礎掘削を進め、24年度にコンクリートの打設に入る。工期は26年3月25日まで。実施設計は八千代エンジニヤリング。県営ダムの建設は13年5月に完成した払川ダム(南三陸町)以来11年ぶりになる。
梅津智徳所長(西松建設)の話
「生産性向上を図るため、工程管理の徹底に努めていく。地域の期待と信頼にしっかり応えたい」。
関係者による鍬入れ
梅津智徳所長
source https://www.decn.co.jp/
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