2023年3月20日月曜日

大豊建設/工場建築に木材採用、木造提案力向上で営業活動に生かす

 大豊建設が建築物の木材利用に力を入れている。中央機材センター(茨城県阿見町)敷地内に建設している新工場の梁や耐震壁に木材を採用した。SDGs(持続可能な開発目標)実現に向けた自社施設へのESG(環境・社会・企業統治)投資の一環。木質化やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化を進め、住宅や商業、事務所以外の用途の適用事例として脱炭素化に貢献する。工場や倉庫など大規模空間で木造・木質化の提案力を高め、営業活動に生かす。  新工場は大スパン空間を木質平弦トラス梁で構成した「鉄骨+木造のハイブリッド構造」を採用。梁15本のうち13本を木造平弦トラスとした。鉄骨ブレースをCLT(直交集成板)耐震壁に置き換え、製材型枠を部分的に採用した複合構造で建てる。  木材に石こうボードや不燃処理を施すとコストアップや納期遅延の問題があるため、新工場では、建築基準法の耐火仕様や内装制限を考慮した計画とし不要なコストを抑えた。木造梁を表しにし、癒やしなどの視覚効果も期待する。外壁の高断熱(軽量気泡コンクリート)化と、省エネタイプの設備機器(LED照明・人感センサー・高効率空調機)を採用し、環境にも配慮。竣工前に1次エネルギー消費量を50%以上削減する「ZEB Ready」を目指す。  2階建て延べ1794平方メートルの規模。このうち3分の2を倉庫として利用し、残る3分の1はニューマチックケーソンで使用する掘削機械や遠隔操作室を設け、既存技術の改良拠点として稼働させる。  同社はこれまで技術研究所の木質化や製材型枠の採用、CLT耐震壁の産学共同研究開発など建築物の木質化に注力。ZEB化事例として技術研究所、事務所ビル、貸貸住宅がある。今後は新設施設に限らず、既存施設や工場のZEB化を検計していく。

新工場の梁に木材を使用した

source https://www.decn.co.jp/

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