2023年3月10日金曜日

竹中工務店/デジタルツイン利用し空調制御、消費エネルギー30~70%削減

竹中工務店はバーチャル空間の結果をリアル空間に反映させて空調制御するシステムを開発した。「デジタルツイン空調制御システム」はシミュレーションに基づき仮想空間の室内環境を把握。仮想空間上で導き出した結果を踏まえ、現実空間の空調を制御する。通常の制御方式に比べ空調消費エネルギーが30~70%程度削減できるという。大空間の空調を最適に制御し、省エネ化や快適性向上につなげる。
デジタルツインを利用して空調制御するシステムは日本初という。同システムはデジタルツインで構築した仮想空間でシミュレーションし空調制御する。実在のセンサーでは計測困難な状態をリアルタイムに推定する「バーチャルセンサー」を活用。現実空間のリアタイム計測データを基に温度や風速などを推定する。▽空調機の給気温度▽給気風量▽還気風量▽シーリングファンの循環風量▽サーモカメラ-のデータを基に、人体や機械などの発熱体の表面温度をシミュレーションする。
数値解析で得た温度や風速の推定値を中央監視装置に送り、快適性の指標であるPMV(室内温熱環境評価指標)と比較し最適な空調制御を実現する。シミュレーションは4~5分に1回行い、瞬時に自動制御に反映できる。
同社は同システムを名古屋市港区にある「名古屋市国際展示場新第1展示館」に初適用した。ホールやホワイエといった大空間や、アリーナなど幅広い用途への適用を見据える。現在、今後の導入に向け提案している段階だが、省エネと快適性を両立したいさまざまなプロジェクトへの提供を目指す。
大空間の空調を自動制御する場合、壁面やダクト内に取り付けられたセンサーから計測データを得ることが多い。だが実際に人が滞留する空間で、きめ細かに制御するのは難しかった。

空調制御システムのイメージ(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/

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