2023年3月13日月曜日

JR東日本ビルテック/建物点検受注強化へドローン利用の環境整備推進

JR東日本ビルテック(東京都渋谷区、阿部亮社長)は、建物の点検業務でドローンを積極的に利用するための環境整備を進める。東京都内にある商業施設の点検にドローンを導入済み。新設した「ドローングループ(ドローンG)」を推進母体に運用のルールや教育体制などを整えていく。JR東日本グループの内外からの受注強化や生産性の向上、人が行っている業務の代替などを目的に利用を促す。
1月1日付の組織改正で技術本部技術部内にドローンGを設けた。「ドローンの現場実装に確実に取り組む」(阿部社長)のが狙いで、ドローン活用を段階的に推進する考え。安全が最優先で求められる鉄道関連の施設をはじめ、ドローンの活用を巡る万全なルールを作る。現場でのドローンの活用を見据えたパイロットの教育体制も整備する。
外壁や狭い空間など点検の対象ごとに求められる技術レベルを把握したり、施工計画の立案や施工前検討会といった作業のポイントをさらに精査したりする必要があると見ている。ドローン事業の展開を視野に、危険箇所を含む特殊点検や外注の在り方、提供するサービスの仕様なども検討することにしている。
同社は、Liberaware(千葉市中央区、閔弘圭社長)の狭小空間専用機「IBIS(アイビス)」を点検業務に活用している。操縦訓練を積んだドローンGの技術者がIBISを飛ばし、天井のつり元などの画像を撮影し、記録する。足場が必要な高さのある空間や、人の出入りが難しい箇所などの点検作業を高性能なカメラを搭載したドローンに代替できれば、点検効率とともに技術者の安全性が高まると期待している。
市場が拡大し、ドローンはJR東日本グループ内でも活用が広がってきた。建物の点検を担っているノウハウのある技術者がドローンを駆使することで、施主に対する提案の価値を高められるという。技術者の負担が減り、働き方改革につながる。「人が実施していた点検作業でのドローン活用は数々の課題解決の有効な策」(笠井浩司常務技術本部長)と捉え、ドローンを生かした建物の維持管理手法の確立に取り組む。

点検前のIBISの動作チェック。作業のルールも確認する

source https://www.decn.co.jp/

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