2023年3月13日月曜日

国交省/高規格道路網を統一的な整備へ、国土形成計画と整合23年夏に方向性

国土交通省は今夏に閣議決定する次期国土形成計画(2023~32年度)の策定に向けた議論をにらみ、全国の高規格道路ネットワークの在り方を再検討する。現在はネットワークの形成に関し、全国を対象とした統一的な構想がない状況。構想の検討は地方整備局や地方自治体に任せ、地域ごとに計画を作る枠組みになっている。同省は次期国土形成計画の内容に沿う形で今後の整備が進むよう、統一的な方向性を示す考え。外部有識者会議で検討し、今夏に方向性をまとめる。

10日に社会資本整備審議会(社整審、国交相の諮問機関)道路分科会国土幹線道路部会(部会長・朝倉康夫東京工業大学名誉教授・神戸大学名誉教授)の会合を東京都内で開き、方向性の検討を開始した。成果は「高規格道路をはじめとする広域道路ネットワークの在り方(仮称)」としてまとめる。
国交省によると高規格道路のネットワークや国土形成、土地利用などが整合した全国規模の構想は、1987年の第4次全国総合開発計画が最終。94年に都道府県ごとの「広域道路整備基本計画」を策定する枠組みが創設されてから、高規格道路の整備構想は地方整備局や都道府県、政令市が主体となって議論してきた。この枠組みは計画内容を更新しながら現在も実質的に継続しており、国家的な観点を取り入れづらいのが課題だ。
一方、国土審議会(国土審、国交相の諮問機関)では次期国土形成計画の策定議論が進展している。7日に示された骨子案は、目指す国土構造として「シームレスな拠点連結型国土」を提唱。リニア中央新幹線や新東名・新名神高速道路などでつながる3大都市圏を「日本中央回廊」と定義した上で、回廊と周辺地域を結ぶ高規格道路などの交通インフラを強化し、地方活性化や国際競争力強化につなげる方針を示した。
社整審の部会ではこうした観点を取り入れ、全国的なネットワーク形成の方向性を再検討する。ただ現時点では「新たな全国計画を作るということが決まったわけではない」(道路局企画課道路経済調査室)といい、今夏に示す方向性を地域の計画に反映してもらうための仕掛け作りも今後の検討課題になる。


source https://www.decn.co.jp/

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