東京都は公園などの地下に設置している雨水調整池の耐震化に乗り出す。地震後に風水害が発生する複合災害を想定。揺れによるひび割れや崩壊などを防ぎ、調整池としての機能を維持する。2026年度にスタートする都下水道局の次期経営計画を見据え、改修工事は同年度以降に着手する見通しだ。
都下水道局が管理する雨水調整池は14カ所で、全て区部にある。内訳は公園の下に12カ所、集合住宅や公共施設の下に1カ所、道路の下に1カ所。このうち最も規模の大きい南砂雨水調整池(江東区)は、2万5000立方メートルの雨水をためることができる。
雨水調整池はコンクリートで造られた箱形の施設。震度7相当の揺れに耐えられるよう天井や床、壁を厚くし、耐震化を図る。
都下水道局は現在、「経営計画2021」(21~25年度)に基づき一時滞在施設や災害復旧拠点など、災害後に人が集まる施設から排水を受ける下水道管とマンホールの接続部の耐震化を推進。接続部にゴムブロックなどを設置し、地震で揺れてもしなやかにたわむ仕様に変更している。耐震化した施設の割合を、25年度末で93%にする目標を掲げている。26年度以降は耐震化の対象施設に雨水調整池を加える。
都は4月に始動するTOKYO強靱化プロジェクトで複合災害への対応を強化する。大規模な地震後に大型台風が襲来した場合や、感染症まん延下で風水害や地震が発生したケースを想定。河川・海岸保全施設だけでなく、下水道施設の耐震レベルも引き上げ、都民が安全に避難できる体制を整える。
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