中部地方整備局越美山系砂防事務所は13日、低軌道周回衛星のインターネットサービス(スターリンク)を活用した遠隔臨場などの実証実験を岐阜県内の砂防工事現場で実施した。ウェブも含め約220人が参加。山間部の電波不感地帯でも映像や音声などが伝達できる通信環境の優位性を確認し、今後の活用に期待できるとした。同事務所は今後もさまざまな条件下で実証実験を行い、データを構築していく考えだ。
会場は揖斐川町の「道の駅 星のふる里ふじはし」。2カ所の砂防堰堤現場と会場を結ぶ形で実施した。冒頭、八尾光洋中部整備局企画部長は「人口減少が進み山間部の建設従事者も減っていく。今後も建設業が役割を果たすため、DXやICTにより遠隔地からの生産性を向上したい」とあいさつ。岡部栄一揖斐川町長も「町内では砂防工事などが行われているが、山間部のため電波の不感が課題となっている。実験を通じて今後、工事が円滑に安全に進むようになることを祈る」と話した。
堂洞第1砂防堰堤では、堰堤の施工に向け工事用道路を整備中。現場は4G回線エリアだが通信が不安定なため、遠隔臨場で音声や動画のやりとりが安定、円滑にできるかを4G回線と比較した。百々之木谷第1砂防堰堤の現場は電波不感地帯。このため、スターリンクを使ってドローン搭載カメラの映像をウェブ会議システムを通して配信。遠隔地からの指示によるドローン操縦も行うなど、スターリンクの有効性や適用性を確認した。参加者からは操作時の注意点、機器の導入費用などについて質問が寄せられた。
越美山系砂防事務所によると、アンテナやルーターなどの機器一式が約40万円。1カ月の通信費に約19万円必要という。今回の実証実験を通じ、テックフォース(緊急災害対策派遣隊)が山間部で活動する際も有効活用できることを確認できたとしてる。
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source https://www.decn.co.jp/
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