2023年3月17日金曜日

厚労省/水道施設の更新・修繕費を試算、今後30年で年間1・8兆円必要

 厚生労働省は水道施設の適切な維持管理を後押しするため、長期的に必要な更新・修繕費の見通しを公表した。現行の施設規模のまま単純に更新した場合、2021~50年度の30年間の年間平均投資額が1・8兆円に上ると試算。過去10年間(2011~20年度)の年間平均1・3兆円よりも、5000億円程度の追加投資が毎年必要になることが分かった。同省は将来の水需要を踏まえた施設規模の適正化や統廃合などで建設投資の圧縮が可能とみて、地方自治体を中心とする水道事業者に計画的な維持管理を求めている。  昨年10月に水道施設の基本情報をまとめた台帳の作成・保管が義務化されたことを受け、過去の投資額などを調査し、より精緻なデータで更新費や修繕費の見通しを試算した。  厚労省によると、法定耐用年数(40年)を超えた管路延長は約15万キロあり、全体の20・6%を占めるという。水道事業の実務上の更新基準は平均60年程度とされるため、約15万キロを一般的な更新基準に合わせて今後20年(21~40年度)で更新していく場合、年間の平均更新延長は約8000キロ(更新率1・03%)に上る。20年度の更新実績は延長4811キロ(0・65%)のため、整備を加速する必要がある。  今後30年(22~51年度)の更新費を施設別に見ると、管路は計33・5兆円となる。ただ、水需要の減少を踏まえて管路口径の縮小などに取り組めば、最大で16%減の28・3兆円まで縮減できるとした。浄水施設は30年間で計19・6兆円の投資が必要になるが、施設規模の縮小や統廃合により、最大33%減の13・2兆円まで圧縮できるという。  厚労省は市町村を中心とする水道事業者に対し、今後必要な施設更新費用を把握した上で、施設の再構築や規模の適正化、水道料金の改訂による財源確保の検討など、アセットマネジメントを実践してもらいたい考え。そうした取り組みによって「水道施設を健全な状態で将来世代に引き継いでいってほしい」(同省医薬・生活衛生局水道課)と期待している。

source https://www.decn.co.jp/

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