アフターコロナを見据え、政府はマスクの着用を個人の判断に委ねた。国民各自の意思を尊重したとも言えるが、引き続き高齢者などへの配慮は必要とし、着用ルール緩和に慎重な意見も目立つ▼学校や職場でのマスクの着脱について、さまざまな意見が混在しており、どう折り合いを付ければいいのか。今後はマスクをしていることが逆に、相手へ不快感を与える可能性も考えられる▼個人の意思や行動に制限をかけては問題だが、多様な人々や組織からなる社会、経済を円滑に回すには一定のルールが不可欠。誰もが納得するルールを決める上で、多数決は有効な手段の一つだろう▼わが国は選挙で選ばれた国民の代表が政治を担う「間接民主制」を採用している。政治に直接関わらずとも、政府の決定事項は多くの国民の意思が反映されていると言える。だがマスクを巡る対応は、国民の賛否が割れて結論が見いだせない中での政治判断に見える▼世論は長いトンネルを早く抜け出したい思いと、新たな感染拡大の波が来るのを防ぎたい思いが交錯する。今回ばかりは数の多さではなく、互いを思いやる心が解決の道筋となろう。
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