2023年3月27日月曜日

国交省ら/22年度入契法適正化実態調査、スライド条項運用基準・市区町村は策定3割

国土交通、総務、財務の3省は24日、公共工事の発注者に行った公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づく2022年度実態調査(22年10月1日時点)の結果を公表した。直面する資材高騰を踏まえスライド条項運用基準の策定状況を初めて調査した結果、国が約6割、市区町村が約3割だった。週休2日など休日確保を考慮した工期の設定状況も国が約7割、市区町村が約5割にとどまるなど、改善の余地が見られた。
調査対象は国19機関、特殊法人など121法人、地方自治体1928団体(47都道府県、20政令市、1721市区町村)。
資材高騰分の適正な請負代金への価格転嫁が進んでいるか把握するため、公共工事標準請負契約約款で受発注者間の協議事項になっている単品スライド条項やインフレスライド条項の運用基準策定状況を初めて調査した。都道府県や政令市のほぼ全てが策定している一方、国は単品スライド条項63・2%、インフレスライド条項57・9%。市区町村では単品32・5%。インフレ29・2%だった。
工期設定で週休2日や祝日などの休日確保を考慮している自治体は、全政令市が実現。都道府県もほぼ全ての46団体が対応している。ただ国が73・7%(前年度比10・5ポイント低下)の14団体、市区町村が48・1%(4・1ポイント上昇)の828団体にとどまる。
併せて休日確保に有効な週休2日工事または技能者・技術者の週休2日交代制工事を実施している自治体は、全都道府県と全政令市が対応中。対照的に国が36・8%(5・3ポイント低下)の7団体、市区町村が14・2%(3・9ポイント上昇)の245団体と低い水準で推移している。
一方、工事の品質確保や受注者の適正利潤に欠かせないダンピング対策は着実に進展。低入札価格調査基準額や最低制限価格の設定に当たり、全都道府県が昨年に改定された中央公共工事契約制度運営連絡協議会(中央公契連)モデルか同モデル水準以上の算定式を用いている。低入札価格調査基準額の算定式に限って見ると、国が89・5%の17団体、政令市が80・0%の12団体と高い水準。市区町村は54・8%の424団体だった。
国交省は初の試みとして同日付で全公共工事発注者に「入契カルテ」を作成し送付。個別の調査結果概要を診療記録に見立て、入札契約の適正化に関する主な取り組み項目の進捗(しんちょく)状況をグラフチャートにしてまとめた。近く自治体に早期の改善を求める通知も出す予定だ。

source https://www.decn.co.jp/

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