建設業労働災害防止協会(建災防、今井雅則会長)は15日、2023年度から5カ年の「第9次建設業労働災害防止計画」を公表した。新計画では対象期間中に発生する建設現場の死亡災害平均件数を前計画期間の平均から15%以上減らし、休業4日以上の死傷災害(新型コロナウイルス感染症関連除く)を22年比で5%以上減とする目標を設定。引き続き着工前に現場の潜在的な危険性を特定するリスクアセスメントの確実な実施などを通じ、労働災害の撲滅を目指す。
新計画は同日に東京都内で開いた第162回常任理事会・第151回理事会に報告した。今井会長は新計画に基づき「積極的に労働災害防止対策を推進し、建設業の安全衛生水準の向上に努める」とあいさつした。
建災防によると、2月に集計した22年の建設業死亡災害件数は前年比5人減の274人とわずかに減っているものの、休業4日以上の死傷災害は1116人増の1万6617人と増えている。依然として死亡災害に占める割合が約4割と高い墜落・転落災害の防止も課題になる。
新計画は現行計画(18~22年度)で浮き彫りになった課題や、国の「第14次労働災害防止計画」(23~27年度)を踏まえ策定した。そのため建設現場で発生する死亡災害と墜落・転落によって発生する死亡災害の平均件数に着目。それぞれ前計画期間の平均に対し15%以上の減少を目指す。
これらの目標達成に向けた重点対策も会員企業または建災防といった主体別に整理。会員主体の対策として▽安全衛生管理体制の確立▽リスクアセスメントの確実な実施▽建設業労働安全衛生マネジメントシステム(コスモス)の導入▽墜落・転落など重篤度の高い労働災害減少に着目した対策▽ICT活用など各工事の特性に応じた対策▽安全衛生教育の徹底▽労働者の健康確保対策推進▽高年齢労働者の労働災害防止対策推進▽腰痛など職業性疾病の予防対策徹底▽快適な職場環境形成▽安全衛生推進大会など安全衛生運動の実施-の11項目を挙げた。
source https://www.decn.co.jp/
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