2018年10月3日水曜日

【労働時間、全産業平均と大きな開き】日建連、労働時間の会員実態調査結果を公表

 ◇年間総実労働、2400時間以上が38%◇

 日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は、会員企業を対象にした「職員の労働時間に関する実態調査」の結果をまとめた。一般従業員、管理監督者とも年間総実労働時間が全産業と製造業の平均を上回った。一般従業員は300時間ほど長く、2400時間以上が38%に達した。年間所定労働時間は1900時間超に設定している企業が69%を占めた。

 調査は産業界での建設業の現状を把握するのが目的。働き方改革を巡る取り組みの参考資料として役立てる。調査には経団連からも協力要請があった。会員のうち、経団連加盟の25社と非加入13社の38社が17年度の状況などを回答した。

 回答企業の年間所定労働時間(無回答2社)は、1850時間以下2社、1850時間超1900時間以下9社、1900時間超1950時間以下16社、1950時間超9社だった。

 年間総実労働時間(平均)は、一般従業員2250時間以上、管理監督者2100時間以上だった。経団連の集計結果によると、製造業の一般従業員は約1950時間、管理監督者は2000時間以上、全回答企業(全産業)は一般従業員約1950時間、管理監督者約2050時間。全産業と製造業は15年度から減少しているが、建設業は16年度から17年度にかけて上昇していた。

 建設業の一般従業員の年間総実労働時間は▽1800時間未満=14%▽1800時間以上2000時間未満=14%▽2000時間以上2200時間未満=15%▽2200時間以上2400時間未満=18%▽2400時間以上=38%。1800時間未満の割合は全産業、製造業と同程度だったが、全産業、製造業は2400時間以上が3~5%にとどまっており、大きな開きがある。

 ◇時間外720時間以下は5%◇

 一般従業員の時間外労働時間は、全産業、製造業とも15年度から17年度にかけて減少傾向にあったのに対し、建設業は増加が続き、17年度は約310時間となった。人手不足感を聞いたところ、「人手不足が企業経営に影響している」(割合45%)と「人手不足感がある」(50%)が95%を占め、時間外労働の増加に影響していることが分かった。

 年間の時間外労働時間(最大値)の分布は、適用を控える罰則付き上限規制に適合する720時間以下が5%だったのに対し、960時間以上が50%だった。

 年次有給休暇の17年度の平均取得日数は一般労働者6・7日、管理監督者5・8日。日数に対する平均取得率は改善傾向にあり、一般労働者が38%(15年度31%)、管理監督者は29%(22%)に上昇したが、製造業は71%(69%)に達していた。

 年次有給休暇の取得が5日未満だった従業員の割合は一般労働者が35%(55%)、管理監督者が43%(58%)で減少傾向にある。製造業は一般労働者が6%(7%)、管理監督者が10%(14%)だった。

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