◇愛され続ける建築づくりを◇
建築設計に興味を持ったのは、飲食店を営んでいた実家が風情のある日本家屋であったことと、出身地である静岡県清水市(現静岡市清水区)の市庁舎の設計を建築家・丹下健三氏が手掛けていたからと語る。
職業として建築士を意識したのは、東大の進学振り分け制度により、建築学科に進んだ3年生の時。18年の日本建築学会賞で大賞を受賞した高橋鷹志教授の研究室で建築を学ぶ中、「建築物のデザインや設計、都市計画など幅広い分野を手掛けたい」と感じ、大学の先輩が勤務する石本建築事務所を選んだ。
現在、設計監理部門建築グループ部長として、ホテルや学校施設などの設計、都市計画の策定業務をこなす。海外プロジェクトでは、15年5~10月に開催された国際博覧会・ミラノ万博(イタリア)の「日本館」の設計も手掛けた。
「建築設計は発注者の意向を解釈し、具現化する職業。苦労した分、完成した時に多くの人の喜ぶ顔を見られる」
自身の原動力であり、対話を重視した仕事を心掛ける。
「人が主役の建築づくり」を目指し、日々の業務をこなす傍ら、2年前に母校の社会人大学院を修了。そこで出会った仲間と交流を深める中で、「愛され続ける建築物を設計することと、建築を通して人々に寄り添える存在でありたい」と夢を語る。
(さかきばら・ゆきこ)
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