2018年10月30日火曜日

【建築家・妹島和世氏がデザイン監修】西武鉄道の新型特急車両がデビューへ

 西武鉄道が新型特急車両「ラビュー」を19年3月から運行させる。都心や自然環境に溶け込みやすく、部屋のリビングを想起させるような車両は、建築家の妹島和世氏がデザインを監修した。

 29日に東京都内で開かれた記者会見に出席した同社の後藤高志会長や若林久社長、妹島氏とCMキャラクターを務める女優の土屋太鳳さんが、新型車両に懸ける思いなどを語った。

 新型車両のデザインは、同社が創業100周年を迎えた15年に計画がスタート。妹島氏と若手社員を中心とするプロジェクトチームが意見交換し、デザインコンセプトを決めた。

 全体に丸みを持たせた車両は、▽都市や自然の中で柔らかく風景に溶け込むこと▽乗客全員がくつろげるリビング▽単なる移動手段ではなく、目的地となる特急-を追求。風景と共に、さまざまな人が一緒にいながら、自由な時間を過ごせる空間を創出させた。

 会見で後藤会長は、新型車両の開発経緯を説明した上で「当社が次の100年を迎えるための象徴」と述べた。若林社長も「新型車両は未来を担う『フラッグシップトレイン』だ」との思いを語った。

 デザインを担当した妹島氏は、「特急電車を物と見ず、さまざまな人が出会う場と捉えた。ホームから自分の乗る特急と認識してもらえるとありがたい」と強調。ゆったりとした座席や大きな窓など、内部設備もこだわりを持ってデザインしたことを明らかにした。

 実際に使用される座席に座った土屋さんは「会話をしながら旅をするには、とっておきのシート」と座り心地の良さをアピールした。新型車両は、西武池袋線と西武秩父線の池袋駅~西武秩父駅を走行する予定だ。

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