2018年10月9日火曜日

【夏休みの思い出、17現場で374人参加】けんせつ小町活躍現場見学会、子どもたちや保護者に好評

 日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は、女子小中学生と保護者を対象に今夏行った「けんせつ小町活躍現場見学会2018」の実施報告をまとめた。会員企業17社の17現場で実施し、子供211人、保護者163人の374人が参加した。「けんせつこまちが すきになりました」(小学2年女子)などの感想が寄せられており、日建連は「建設業のファンを着実に増やせた」(担当者)と手応えを示している。

見学会は4年連続4回目。けんせつ小町の愛称で呼んでいる女性も活躍できる建設業への理解を深めてもらおうと企画している。今回は初参加を含む19社の19現場で参加者を募集した。荒天などの影響で2現場が中止になったが、開催した現場は過去最多。静岡、滋賀、福井の3県で初めて行った。4年間の開催実績は61現場、参加者1573人(子供894人、保護者679人)となった。

 日建連によると、参加したのは女子164人、男子47人。学年別では、43人の小学4年生が最も多く、次いで小学2年生(40人)、小学5年生(27人)となった。保護者は女性125人、男性38人だった。参加者は6月18日から日建連のホームページで募った。早々に定員に達した現場があり、今回も人気の高さを裏付けた。4年連続で参加した親子が2組あり、高架橋の建設工事現場を中学1年生の娘と見学した保護者は「男性のお手伝いかと思っていた女性がメインで仕事をされている。街の現場にも女性が増えましたね」と感想を述べた。

 各社の現場では、施工管理に携わる女性職員などが進行役や案内役を担った。工事長や所長などが率先して準備を手伝い、周辺の環境に配慮するための工夫や、人口を増やすことにもなる交通インフラの整備効果、コンクリートの中にある鉄筋の役割、シールドマシンのメリットなどを分かりやすく説明。現場関係者が工事の内容と合わせて建設業の役割や仕事の魅力を紹介し、建設業で多く活躍する女性の情報も意欲的に発信した。

 女性職員が仕事の合間を縫って作成した手描きのイラスト入りのスケジュール表を親子に配布した現場もあった。鉄筋の結束作業や測量機器を使った宝探しゲームを一緒に行ったり、今夏に品切れが相次いだ熱中症対策用品を試してもらったりとさまざまなイベントを企画。船上からの見学や、急斜面にある大型昇降設備「インクライン」への乗車を行った現場もあった。

ある現場の女性職員は、仕事で苦労することを聞かれた際に、「別荘が増えているみたいに感じるので、転勤を楽しめています。お世話になった飲食店を訪れるのが楽しみです」と回答。「暑い中、どうして働くの」との質問に、「みんなの役に立つものを造るやりがいのある仕事ですし、完成した時に喜ぶ顔が見たいからです」と答えた職員もいた。土木工事現場の女性職員は「職場の男性にもてますか?」という質問に「おやつはたくさんもらえています」と笑顔を見せた。

 アンケートでは、すべての保護者が「楽しかった」と回答した。子供は「楽しかった」が96%、「楽しくなかった」と「どちらでもない」が2%ずつだった。今回日建連は、感想文と絵日記を送ってもらうよう依頼し、「土木関係の仕事に興味をもちました」(小学5年女子)、「また来年もあったら行きたい」(小学2年女子)といった感想が届いた。あるゼネコンの女性職員は、見学会での出会いを通じて参加した女子と手紙をやりとりするようになったという。保護者からは「将来の進路を明確にできる機会となったと思います」との手紙が来た。

 絵日記と感想文の一部は、近く発行の日建連広報誌『ACe建設業界2018年10月号』に掲載される。

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