2018年10月17日水曜日

【こちら人事部】高砂熱学工業/「人財」を幅広く育成

 ◇向上心持ちグローバルに活躍を◇

 1923年11月16日、前身となる「高砂煖房工事」として設立した。1943年に現在の社名に改称。「人の和と創意で社会に貢献」を社是とし、空調設備工事をコア事業とする「総合エンジニアリング企業」として事業を展開する。

 現在は、省エネ技術やエネルギーマネジメントの分野だけにとどまらず、ファシリティーマネジメントやプロパティーマネジメントなど多様な事業を担える企業へ転換を図り、2023年に迎える創立100周年に向け、成長を続けている。

 新卒採用や人材育成などに携わる村上誠コーポレート本部人事部タカサゴ・アカデミー長は、人が会社の財産という視点から「『人材』よりも『人財』との表現を多く使用する」と話す。

 新卒に求める人材像については「環境の変化に強く、コミュニケーション力が高い人財を望んでいる」と強調する。同社のビジネス領域は建設業界だが、建築や機械の学問専攻にこだわらず、電気や情報、環境、化学など多様な学問を専攻した人財が活躍している。

 今後、さらに幅広い領域で事業展開するためにも「IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)などを活用した新たなサービスや新規領域を開拓したいと向上心を持つ人やグルーバルで活躍できる人財を獲得したい」(村上氏)。

 学生にとって有利な売り手市場が続く中、学生を募集する際の応募人数を確保するため採用側も工夫を凝らす。その一環として▽なるべく多くの学校を採用担当者が訪問する▽夏季インターンシップ(就業体験)の日程を5日間と1日間の両コース設置▽提携している学校からのインターンシップ生の積極的な受け入れ▽社員教育と育成に取り組む「タカサゴ・アカデミー」の設置-と幅広い取り組みを展開する。

 入社後の研修は、本社(東京都新宿区)で1カ月間、ビジネスマナー講座や基礎的な空調設備講座などを実施。各支店に配属し、現場研修やOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)などを2カ月間行う。その後再び集合研修を繰り返す。新入社員研修期間は2年間。事務系も技術系と同じ教育研修を受ける。

 昨年度には、静岡県富士宮市の富士教育訓練センターでの実習を開始。現場の実務を模擬体験し現場作業の苦労や危険なポイントを実感することで施工に対する理解を深め、施工管理能力の向上を図っている。

 入社2年目以降も業務と並行して階層別や目的別の研修など、社員それぞれに最適な教育カリキュラムを準備。例えば、キャリアアップ支援の一つとして、建設業界では珍しいMBA(経営学修士)の学位取得制度なども実施している。「『社員のための研修』を厚くすることで多くの人財が活躍できる。さらに必要な能力やビジネススキルを身に付けてもらえれば、モチベーションの向上につながっていく」(村上氏)。

 村上氏は、就職活動中の学生に向け「将来何がしたいのか、そのためにはどうなりたいかと考えることが最も重要。入社してから会社の中で、自分の役割をしっかり見つけられるようになってほしい」とアドバイスを贈る。

 《新卒採用概要》

 【新卒採用者数】男性69人、女性19人(18年度実績)

 【平均勤続年数】男性17・5年、女性13・5年(18年3月末時点)

 【平均年齢】  42・3歳(18年3月末時点)

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