◇コンセプトは白く輝く森◇
三越伊勢丹ホールディングス(HD)が東京都中央区の「日本橋三越本店」で進めているリニューアル事業の初弾が完成し、24日に開業した。
歴史的建造物の保存と百貨店の営業を両立させながら建物を改装。玄関口となる本館1階の内装は「白く輝く森」をコンセプトにデザインを一新し、同5階には顧客向けラウンジを設けた。環境デザインを建築家の隈研吾氏が手掛けた。
24日の開業式典で三越伊勢丹HDの杉江俊彦社長は「約30年ぶりにリニューアルした。未来の百貨店のおもてなしの姿を築いていきたい」と述べた。所在地は日本橋室町1の4の1。本館と新館、周辺施設(パーキングビル)で構成する。リニューアルの初弾事業の対象は本館1、3、5階と新館1階。
大幅に変わったのは化粧品や雑貨などを扱う本館1階。本館の建物に1920~30年代、欧州を中心に流行したアール・デコ風の装飾が取り入れられていることから、アール・デコで多用される植物のモチーフを現代的にアレンジし「白く輝く森」のコンセプトを実現した。
床から連続する白い大理石の柱を木の幹に見立て、その上部でひし形のアルミパネルを組み合わせて枝葉を表現。隈氏は「日本橋に森をつくりたいという夢をかなえることができた」と出来栄えに胸を張った。このほか京都の町屋で使われる「糸屋格子」をステンレス材で再現し、三越が培ってきた伝統と格式をデザインに反映した。初弾に続く、第2期事業は19年度の完成を目指している。
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