中学、高校時代の部活は卓球部だった。運動量が多く、瞬発力や持久力も不可欠な競技なのだが、どうしても地味な印象がつきまとっていた▼イメージが変わるきっかけに福原愛選手の活躍があったと思う。11歳で全日本選手権に出場し、史上最年少勝利を挙げるなど新たな道を開き、後輩らの目標となることで有望な若手の輩出にもつながった▼泣き虫だった少女が一流アスリートに成長し、世界で奮闘する姿は、卓球の格好よさを広く伝えた。一人のヒロインやヒーローが、その世界の印象を変え、魅力や価値を高めていく。そんな影響力を感じさせる存在だった。引退は残念だが、29歳にして現役生活が26年と聞くと、「お疲れさまでした」という言葉しか出てこない▼卓球では新リーグ「Tリーグ」が発足し、24日に男子の開幕戦が始まった。25日には女子の開幕戦も行われる。石川佳純選手や張本智和選手など国内トップ選手に加え、海外からも参戦するそうだ。福原さんは理事という立場から選手たちを支えていくという▼卓球は2020年東京五輪でもメダル獲得が有望視される種目。さらなる盛り上がりを期待する。
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