大成ロテックは、電線共同溝工事に伴う既設埋設管の損傷防止に向け、新たな対策を導入した。
レーダー探査による既設埋設物の3次元(3D)モデルデータと、計画する電線共同溝の3D設計データを、米マイクロソフトのゴーグル式MR(複合現実)端末「ホロレンズ」に取り込む。
重機オペレーターと工事関係者がホロレンズを使い、施工前に設計と既設埋設物の位置関係を確認し、既設埋設管の損傷防止に役立てる。
国土交通省近畿地方整備局和歌山河川国道事務所発注の「国道42号秋葉町管路敷設他工事」に適用した。道路沿いに商店や住宅が並び、交通量も多いため、片側規制で交通開放しながらの施工となる。施工スピードが求められると同時に、地下埋設物の損傷防止など、安全管理にも細心の注意が必要とされた。
ホロレンズは、現実世界の中にホログラフィックを重ねて表示できる。地下の既設埋設物の正確な位置情報を可視化。作業員に現場で周知することで高精度の施工を実現し、埋設物の損傷を防ぐ。
CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)データの活用により、既設管と設計を3Dデータ上で比較できる。管路の干渉など事前協議がスムーズに進み、手戻りを減らす効果もあった。新しい事故防止技術として、同種工事への適用を本格化させる。
ホロレンズによる視認を体感した近隣住民からは、「自宅前の地下にたくさんの管が通っていることに驚いた。非常に興味深い経験だった」との感想が聞かれたという。
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