◇新卒採用、新たな局面に◇
経団連は9日、就職・採用活動の解禁時期を縛る「就活ルール」の廃止を正式決定した。21年春入社以降の新卒者から対象にする。
目安となるルールがなくなることで、学生と企業の両方が活動を本格化させる時期を大幅に早めかねず、学業への影響が懸念される。経団連に加盟する建設関連各社は採用活動の方針の見直しを迫られそうだ。
現行ルールは20年春入社の学生まで、会社説明会を3月、選考面接は6月に解禁。正式な内定日は10月以降としている。ただ、ルールを破った会員企業にペナルティーはなく、ルールに縛られない経団連未加盟企業や外資系企業を含め、優秀な人材を早期に獲得する弊害が指摘されている。
経団連の中西宏明会長は9月の記者会見で、就活ルール廃止の意向を表明。9日に開いた会長・副会長会議でルールを撤廃する方針を決めた。
人手不足が進行する建設業界では、激しい人材獲得競争が続いている。ルールの撤廃を巡っては、9月の段階で「採用活動の早期化と『青田買い』を危惧する」(準大手ゼネコン)、「大手が有利になる」(建設コンサル)という指摘があった。一方で「採用巧者の企業は今まで以上に優秀な学生を獲得できる可能性が高まる」(大手ゼネコン)と前向きに受け止める声も出ていた。
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