◇エストニア国立博物館や古墳スタジアム紹介◇
建築家・田根剛氏(ATELIER TSUYOSHI TANE ARCHITECT主宰)の展覧会「Archaeology of Future-未来の記憶 Search&Research」が、12月23日まで東京都港区のTOTOギャラリー・間で開催されている。
完成までに10年を費やしたエストニアの国立博物館や進行中の国内外のプロジェクトなどを600点の模型で紹介している。
建築物が立地する土地の歴史や痕跡を分析する考古学的な視点で、設計作品を生み出している田根氏。北欧エストニアの国立博物館は、自身が20代に設立した設計事務所「ドレル・ゴットメ・田根」(DGT.)が手掛けたことでも知られている。
旧ソビエト連邦(現ロシア)の支配下にあった同国の軍用滑走路を利用して建築を生み出した博物館は国際コンペで1等を獲得。占領という負の遺産を新たな未来へと転換させている点が特徴となっている。
2012年に参加した新国立競技場(東京都新宿区など)の基本構想国際デザイン競技では、スタジアムの周囲を緑で覆った「古墳スタジアム」を提案。斬新なデザインは、幅広い層に強い印象を与えることとなった。
個展は、エストニア国立博物館や古墳スタジアムなどの代表作品、2020年に竣工予定の「(仮称)弘前市芸術文化施設」を含む最新プロジェクトを大型模型や映像で紹介する。
個展を目前に控え、17日に行われた報道機関向けの内覧会で田根氏は、「場所には必ず記憶がある。建築はその記憶を継承しながら、未来をつくることができる。建築の持つ力や使命、未来への可能性を考えるきっかけにしてほしい」と思いを語った。
来場者に対しては「模型は見る角度によって違った表情を浮かべる。足を運んだ方々が好奇心を持ってもらえるとありがたい」と鑑賞方法のポイントも解説した。
ギャラリー・間の所在地は南青山1の24の3のTOTO乃木坂ビル3階。入場無料。開館時間は午前11時~午後6時(月曜、11月3日と12月23日は休館)。東京都新宿区の東京オペラシティ・アートギャラリーとの2館同時開催となる。詳細はギャラリー・間のホームページへ。
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