東京ガスは東京都江東区の豊洲地区で開発事業を積極展開する。
グループ会社が所有する敷地を賃借・譲渡しながら、開発事業者を誘致。11日に豊洲新中央卸売市場が開場したことなどを受け、周辺施設にエネルギーを供給する自社のスマートエネルギーセンターを核に、環境や防災機能に優れる開発エリアの特長をアピールし事業化を加速する。
内田高史社長は「豊洲市場がメイン施設として注目されるエリアだが、当社グループの保有地を活用しながらにぎわいの創出に貢献したい」と話している。
豊洲地区ではグループ会社の東京ガス用地開発が区域2(約6・5ヘクタール)、区域4(約9・1ヘクタール)、区域8(約1・7ヘクタール)を現在保有している。区域1は民間事業者に売却し、東急不動産、NIPPO、大成有楽不動産が住宅、保育所、生活利便施設の3棟(総延べ床面積約14万平方メートル)を整備する複合開発事業を進めている。
区域5~7については豊洲市場(青果棟、水産仲卸売場棟、水産卸売場棟)が立ち並ぶ。隣接地では万葉倶楽部(神奈川県小田原市、高橋理社長)を代表とする開発事業者が千客万来施設(商業棟、温泉・ホテル棟)を2020年東京五輪・パラリンピック後に整備する。
◇新市場開場追い風ににぎわい創出◇
豊洲市場の開場や周辺の開発事業が本格的に動きだしたことを受け、東京ガスは保有地での開発事業の具体化に本腰を入れる。
スマートエネルギーセンターのある区域4では、隣接地を民間事業者に借地して開発事業を展開している。大和ハウス工業が延べ約2・8万平方メートル規模の複合施設(ホテル、店舗、スポーツ練習場など)を整備する計画。清水建設は単独の開発事業で過去最大の約600億円を投じ、大型の賃貸オフィスビルとホテルの2棟(総延べ床面積11・6万平方メートル)を建設する。
両社の開発用地を除いた区域4の未利用地は約5ヘクタール。現時点で自社開発は考えておらず、にぎわいをもたらす施設の誘致に取り組む。「区域内では借地でオフィスや商業施設などを開発する計画が進んでいるが、住宅の所有権などが生じるマンション開発では土地を売却する可能性もある」(東ガス関係者)としている。
区域2では住宅展示場やフットサルコート、イベント施設など、他事業者への借地で仮設施設を中心に暫定利用中。区域8については更地で未利用の状況にあり、「埠頭の突端でロケーションが良く、暫定利用なども含めて活用を検討していく」(同)。
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