2018年10月23日火曜日

【回転窓】世界遺産にようやく建築許可

曲線を多用しまるで生もののような姿をした独創的なデザイン。スペイン・バルセロナにある「サグラダ・ファミリア」は建築家アントニオ・ガウディの代表作として知られる▼世界遺産にも登録されている大作が、1882年の着工から130年余りの時を経て市政府から正式な建築許可を得ることになったという▼初代の建築家から仕事を引き継いだガウディは85年、地元の町から建築許可を得た。だがその後、町がバルセロナ市に吸収合併され行政手続きもうやむやになり、許可が更新されないまま1世紀以上が経過してしまった▼完成した姿がガウディの頭の中にしかなかったといわれ、スケッチを基に弟子たちが作った資料もスペイン内戦で焼失してしまったため、かつては完成まで300年はかかると言われた。手探り状態で進められていたプロジェクトも、今では設計や工事に3次元モデルなどさまざまなITが駆使されガウディの死後100年に当たる2026年には完成の見通しという▼長きにわたる違法状態が解消されることになった未完の大作。完成の日を迎えた時に、ガウディは果たして何と言うのだろう。

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