ゼネコンなどに勤務する女性社員の有志で運営する「ゼネコン女性交流会」は26日、埼玉県川口市の市営火葬場「川口市めぐりの森」で見学会を開いた。
今回が16回目の開催。東亜建設工業が幹事を務め、112人が参加した。4月に開業した火葬場の設備や屋根などを見学し、施工のポイントなどについて説明を受けた。
施設は伊東豊雄建築設計事務所が設計を担当した。建物は3次元(3D)型枠を用いて施工した湾曲状の屋根が特徴。ランダムに配置された28本の柱の上に、1枚の連続した自由曲面シェル構造の屋根がかぶせてある。
特徴的な形状は建物内の天井からも確認でき、参加者は波打つような天井を見上げてスマートフォンなどで撮影していた。通常は入れない火葬炉設備も特別に見学し、川口市の担当者に「煙はどのくらい出るのか」「地震時に火は自動的に止まるのか」などと質問していた。
見学会後の質疑応答では「特徴的な屋根を施工するに当たり、どのような点に注意したか」という質問に対し、施工を担当した東亜建設工業の小島大輔工事主任は「足元が平らでない状態での作業となったため、転落や墜落などの災害を起こさないよう安全面を徹底した」と工事の苦労を語った。
同社で働く2人の女性社員による講演も行われた。同社初の女性幹部職に就いた沖山奉子執行役員建築事業本部副本部長は、一般職から総合職に転換した後の働き方を紹介。自身の経験を踏まえ、「上司などに仕事を頼まれたとき、それは成長につながるチャンスかもしれない。困難に見えたとしても断らずに挑戦してみてほしい」とエールを送った。
出産休暇や育児休業を活用しながら研究などの業務に携わってきた田中ゆう子土木事業本部海の相談室長は、妊娠中や子育て中に苦労したエピソードを交えながら、「上司を含むたくさんの人に支えてもらい、自由に仕事に取り組むことができた」と話した。
見学した施設の所在地は赤山430。建物はRC一部S造地下1階地上2階建て延べ7901平方メートルの規模。施工は東亜建設工業・埼和興産JVが担当した。
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