使用頻度急上昇のカタカナ語の一つに、「インバウンド」がある。国際線の帰国便などの意味もあるが、ここ最近はもっぱら「訪日外国人旅行者」を指す言葉として使用されている▼訪日外国人旅行者の意味でこのカタカナ語を広く用いるきっかけとなったのは「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」に沿ったビジットジャパンキャンペーン(訪日旅行促進事業)だと思われる▼耳になじまない用語の響きに、何でわざわざカタカナ語で表現しなければならないのかと当時は違和感を覚えた。記事でこの単語を使用する際には多くの読者に正しい意味を伝えるために「インバウンド(訪日外国人旅行者)」と都合16字分が必要だ▼文化庁が先週公表した「国語に関する世論調査」では、カタカナ語がどの程度理解されているかを調べた結果も示された。その中にインバウンドもあったが、訪日外国人旅行者という意味を理解していたのは25・2%。4人に1人と少数派だった▼調査対象になったカタカナ語はほかにワーキンググループ、フォローアップ、パブリックコメントなど。どれも官公庁で耳にする言葉ばかり。
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