鹿島は1車線の規制だけで床版の取り換えが可能な「スマート床版更新(SDR)システム」を開発した。「幅員方向分割(2車線道路の場合1車線規制)取替」が対象。既設床版の撤去と架設を同時並行に行い、工程を10分の1に短縮する。高速道路などの道路橋床版更新工事に伴う交通規制による社会的損失の大幅低減に寄与する。
SDRシステムは、床版取り換え工事の▽既設床版の撤去▽主桁ケレン▽高さ調整▽新設床版の搬入・架設-の作業を同時並行で行える。2019年に開発した「全断面(2車線道路の場合2車線規制)取替」が対象のSDRシステムを改良した。
一次床版と二次床版を2枚のプレートとPC(プレストレストコンクリート)鋼棒で仮接合し、両者を一体化。振動の影響を回避する「交通振動対応仮設プレート型継ぎ手」や、ワンタッチで設置と撤去が可能な防護柵、床版架設機・撤去機を10トントラックと15トントレーラーで運搬し、クレーンを必要とせずに安全で高速に組み立て・撤去できる「車載運搬型床版架設機・撤去機」を新たに開発した。
4月に幅員方向分割でのSDRシステムのサイクルタイムと施工安全性を検証した。標準的な施工方法では7時間当たり3枚しか施工できなかったのに対し、SDRシステムは同じ7時間当たりで30枚施工できることを確認。床版の取り換え工程が標準的な施工方法と比べ約10分の1に短縮できた。工事現場近くに設置したプレキャスト工場で床版を製作すれば床版の製作経費や運搬費の削減が見込まれ、工事費の約2割低減も期待できるという。
全断面のSDRシステムは23年以降、実工事に適用する予定。今回開発した幅員方向分割のSDRシステムは24年の適用を目指す。
source https://www.decn.co.jp/?p=143295
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