出光興産とINPEX、三井石油開発(東京都千代田区、上田隆之社長)の3社が秋田県湯沢市に地熱発電所を建設する。出力1万4990キロワットを計画。3社が出資する小安地熱(東京都千代田区、後藤弘樹社長)が事業者となり、2027年3月の運転開始を目指し8月に着工する。
施工は設備が出光エンジニアリング(千葉市美浜区、狩野保英社長)、送電線(電源線)が東電タウンプランニング(東京都港区、鈴木祐輔社長)、土木・建築が飛島建設。設備工事には日鉄パイプライン&エンジニアリング(東京都品川区、元内利文社長)と三菱重工業が加わる。
建設地は湯沢市皆瀬小安奥山の国有林内と湯沢市皆瀬鳥谷。蝸牛(かたつむり)山の中腹に位置する。地中から熱水を取り出し使用後に戻す生産還元設備、蒸気タービンや発電機などで構成する発電設備などで構成。生産井と還元井は各4坑、掘削延長約2000メートルを計画している。生産井1坑と還元井2坑を新設する。
環境影響評価書によると生産井から噴出する100~110度の熱水を使用し、気水分離器で分けた蒸気でタービンを回し、ダブルフラッシュ方式で発電する。噴出水は配管を経由して還元井で地下に還元する。既存の林道を活用した工事用道路(延長約6キロ)、新設する管理用道路(地表式、地下式合わせて約1・4キロ)も整備する。発電所の名称は「かたつむり山発電所」を予定している。
3社は11年から同市の小安地域で地下資源の探査や地熱資源量の確認、経済性評価などを実施してきた。調査では石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の助成を受けた。
小安地熱の資本金は1億円で、出資比率は出光興産とINPEXが各42・5%、三井石油開発15%。秋田県の南端に位置する湯沢市は複数の温泉群があり、地熱資源の豊富なエリアとして知られる。2カ所の地熱発電所が稼働し、調査も複数箇所で進行している。
source https://www.decn.co.jp/?p=143293
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