2022年6月15日水曜日

東大、大林組/トンネル断面3D計測システム、ロボットとUAV活用

 東京大学大学院工学系研究科と大林組は14日、自律4足歩行ロボットとUAV(無人航空機)を使ってトンネル断面を3D計測するシステムを開発したと発表した。地上を自律歩行するロボットと空中を飛行するUAVにより、足場の悪い場所や高所などでも計測が可能。手作業での計測と比べて複数の断面計測を連続的に実施できるため、作業効率も大幅に向上する。
 両者は福島県南相馬市にある福島ロボットテストフィールドで実証実験を行い、複数断面を連続的・効率的に計測できることを確認した。実証実験は国土交通省の「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」の一環で実施した。
 断面の計測には両者が共同開発した「光切断法」を用いた。光切断法は直線状に光が照射される「ラインレーザー」とカメラを使い、レーザー光の進行方向とカメラの光線ベクトルの三角測量の原理により3D計測する仕組み。この3D計測システムをロボットなどに搭載することで作業効率の向上を図った。
 ロボットとUAVがレーザーのスイッチの切り替えを高速で繰り返して動画を撮影することで、複数断面を連続的に計測した。ロボットの活用で計測にかかる時間を、従来の約30分の1に短縮した。四足歩行ロボットの「スポット」は背中の角度や高さを調整でき、さまざまな角度でのレーザー照射が可能。わだちなどで足場の悪いトンネル坑内でも問題なく計測できた。
 両者は今後、複数断面の計測結果を統合する手法の確立を目指しつつ、地下躯体内や橋梁下面など山岳トンネル以外での適用についても検討していく考え。



source https://www.decn.co.jp/?p=143516

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