熊谷組は東京大学農学生命科学研究科(稲山正弘教授)、集成材メーカー最大手の銘建工業(岡山県真庭市、中島浩一郎社長)と中高層S造建築物で使用する「木質耐震垂れ壁構法」を共同開発した。鉄骨柱にCLT(直交集成板)の木質垂れ壁を接合。鉄骨柱と梁が鉛直荷重を支え、木質垂れ壁は地震時のみ抵抗力を発揮する。建築基準法上、耐火被覆が不要となり、室内外から木を感じられる空間が創出できる。
ターゲットは地上4~10階建てのオフィスや商業施設。4月に日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得した。垂れ壁に使うCLT(国内産スギ)は厚さ210ミリ、高さ1500ミリ。長さは柱間の6・4~7・2メートルに対応する。
あらかじめ木質垂れ壁にスリットを設けて鋼板を挿入する。スリットと鋼板は凹凸形状ではめ込み、上からドリフトピンで固定。垂れ壁に挿入した鋼板と鉄骨柱をボルトで接合し一体化する。事前に工場内で垂れ壁と鋼板の固定作業を行うことで、現場作業の効率化を図る。
地震時には鉄骨柱と木質垂れ壁のフレームがラーメン構造の働きをし耐震性能を発揮する。木質垂れ壁を耐震要素として組み込むことで、耐火建築物でも木材の「あらわし」で利用でき、意匠性に優れる。熊谷組では実物件への採用を目指すとともに、適用範囲の拡大などに向けた検討を継続していく考えだ。
source https://www.decn.co.jp/?p=143358
0 comments :
コメントを投稿