2022年6月3日金曜日

清水建設/土木現場の安全管理を高度化、8K映像を5Gで伝送

 清水建設は2日、施工エリアが広大な土木工事現場の安全管理が高度化できる「超高精細映像転送システム」を開発したと発表した。8Kカメラで取得した超高精細な映像をローカル5Gで伝送し、リアルタイムに人や建設機械のマーキング処理を行う。同社が大阪府高槻市で施工する新名神高速道路梶原トンネル工事(発注者・西日本高速道路会社)に試験導入し、有用性を確認した。
 システム開発は総務省が公募した「令和3年度課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」の一環で実施。同社と西日本高速会社、シャープの共同実証事業となる。
 作業エリア全体を撮影した超高精細な8Kストリーミング映像をローカル5Gを介してクラウドにアップロード。自動抽出した人や建機のマーキング処理をAIで解析し、管理者が注視すべき作業領域へスムーズに誘導する。
 マーキング処理されたライブ映像の任意箇所を高精細な映像のまま配信し、拡大表示する機能も備える。映像はパソコンやタブレット端末、スマートフォンで視聴でき、遠隔地でも現場状況を詳細に把握できる。
 新名神高速道路梶原トンネル工事(上り線1341メートル、下り線1328メートル)では、供用中の高速道路上空に仮設桟橋を夜間架設する難易度が高い作業エリアに導入。超高精細映像の伝送やAI解析、マーキング処理、ライブ映像配信などの機能を検証した。
 工事関係者へのアンケートでは「夜間でも作業領域の認識が容易に行える」との回答が91%だった。任意の指定箇所を拡大表示する機能も利用者の96%が「有効」と回答。工事関係者の88%が継続利用を希望していることも分かった。
 清水建設は人や建機の検出精度向上やアラート周知方法などの機能改善を進め、さらなる安全管理の高度化に努めていく考えだ。



source https://www.decn.co.jp/?p=143169

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